聖週間 とは、毎年行われるキリスト教のお祭りで、イエス・キリストの受難、死、そして復活を記念しています。たいてい、3 月から 4 月の間にあり、今年 2016 年は 3 月 20 日が枝の主日でした。
枝の主日 ( el Domingo de Ramos ) から始まり、パスクア・復活の日曜日 ( la Pascua / el Domingo de Resurrección ) まで 1 週間続きます。その間、各曜日異なる意味を持ち、それぞれの出来事を記念してたくさんのイベントや宴が行われます。特に聖木曜日 ( el Jueves Santo ) 、聖金曜日 ( el Viernes Santo ) 、復活の日曜日は特別です。スペインでは、聖金曜日は国民の祝日、聖木曜日はカタルーニャ州以外のすべての州で祝日となっています。
ただ、この 聖週間 、すべてのキリスト教の国 ( ヨーロッパ、ラテンアメリカの国々など ) で同じように祝われる訳ではありません。同じであったり似ている部分ももちろんありますが、各国でそれぞれの伝統にそって祝われています。
スペインでは、プロセシオン ( las procesiones ≒山車行列 ) が知られており、世界各国からたくさんの人がこのプロセシオンを見に訪れます。
プロセシオンには老若男女が参加します。たいていは、聖人や聖母マリアなどに崇拝の対象を定め、カトリック教会で認められた組合ごとのグループに分かれています。これらの人々は、聖人の像に加え、花やろうそく ( 何時間も歩き続けるため、とても太く長いろうそくが用いられます ) で、何百キロの重さにもなる山車を肩に乗せ、町中を練り歩きます。山車を運ぶ人たちは、布に覆われた山車の下にいるので、前や周りが見えません。そのため、山車の前や周りには先導役がつき、都度細かな指示を出します。この動きの息を合わせるために、何ヶ月も前から練習を重ねるのです。
山車 ( procesión ) は教会から出発し、数時間、町を巡った後、元の教会に戻りますが、扉は背が低く狭いため、通るだけでも一苦労。前進後退を繰り返し、観衆は拍手と掛け声で鼓舞します。
また、山車以外にも、ペニテンテ ( los penitentes ) やナサレノ ( los nazarenos ) 、マンティージャ ( mantillas ) を身にまとった女性たちも行列をなします。
また、アンダルシアではサエタ ( saetas ) と呼ばれるパートもよく知られています。サエタでは、伴奏なしのアカペラで、聖人に向けた歌を歌います。メロディーはフラメンコの音楽が元となっていて、独特の雰囲気を作り上げます。
また、アルメリアやマラガなどでは、レヒオナリオ ( legionarios ) と呼ばれる軍人たちも重要な役目を担っています。彼らが献身を誓う聖人、 Cristo de la Buena Muerte の像を肩に担ぎ、歌いながら、他のプロセシオンと同様に町を練り歩きます。
スペイン語でより詳しく知りたい場合は、「La Semana Santa」「La gastronomía de la Semana Santa」「Domingo de Ramos, ¡comienza la Semana Santa!」も是非読んでみてください。